想像、イメージの力。
エティハドスタジアム
(マンチェスターシティのホームスタジアム)
屈強なフィジカルのプジョルをワンフェイクでカットイン、交わして左斜め45度から右足シュートォォォ!
ゴォーーール!(観客の割れんばかりの歓声)
プジョルが膝まづき頭を抱える。
スタジアムは僕のゴールで熱狂、いや、発狂だ。
僕は濡れたピッチを膝から滑る。叫ぶ。
世界の名選手たちが
僕を取り囲み揉みくちゃにする。
「ダイスキダ!ドイ!アメージング!」
次々と僕に賞賛の声をかける。
最高だ。
僕は自主練習が大好きだ。
僕の自主練習にはこういう実況が頭の中で常々流れている。ずっとだ。
こんなことを口ずさんでいると何度も笑われた、「おもろいなー、土井ちゃん」
全くふざけていない。
笑かそうと思ってるわけじゃない。
僕は本気だ。
場所や、対峙する相手、対戦相手にこだわりはない。週末に見たスーパープレーをイメージすることもあるし、週末にある試合をイメージすることもある。このように急にプジョル(元スペイン代表、バルセロナ元キャプテン)が登場してくることも多々ある。
週末の試合の場所をイメージしそのグランドの芝生の長さ、匂い、天気、ピッチの景色、雰囲気、ロッカールーム、観客の罵声、ブーイング僕にとってイメージする要素は無限大だ。
イメージする力を初めて実感した時のことは鮮明に覚えている。
確か小学3?4?5?年生の終わり頃だ。(鮮明には覚えていない)
その当時あった市選抜のセレクションに落ち人生で初めて悔しくて泣いた。
それからだ。僕の想像、イメージは膨らみ続けた。
何度も何度もその当時の選抜のDFを思い出してイメージして練習に励んだ。
どんなステップだったかな?
スライディングくるタイミングはここかな?
ダメだ、このタイミングだと相手の間合いだ。
キックフェイントをかけるならもう半テンポ遅らしたほうが良い。
選抜の選考会に着ていた例のDFの白と水色の半袖の服、黒のスパイクまでイメージした。
僕のイメージのなかでは何度も抜き去れるようになっていた。まだだ。まだ所詮イメージだ。
続けた。とにかく続けた。
すると続けているうちに僕は市選抜に入りまた僕より上手い人がたくさんいる中で素晴らしい経験を積むことが出来た。
そしてそこでうまくいかなかったことをイメージして1人で自主練習する。
こうして僕は成長してきたように今振り返れば思う。
ただ自主練習しても意味がない。
これは僕のやり方の1つだ。真似する必要はない。
所詮市選抜でしょ?と思う人もいるかもしれない。
でも小学4年生の僕にはレベルは関係なかった。
大きなそして本当に重要な成功体験の1つだった。
しかし、レベルは関係ないなどそんな呑気なこと言っている時間今の僕にはない。
少しでもレベルの高いところに行って見て、感じて、イメージする材料を収穫する必要がある。
それさえできれば僕の成長に限界はない。
この作業がまた楽しい。楽しくて仕方ない。
想像、イメージする力。
僕にとって今までもそしてこれからも僕を大きくしてくれる大事な力だ。